地球を太陽にぶつけてみた
地球を木っ端微塵に破壊するために必要なエネルギーを計算してみる
水爆だが、地上にある重水素を可能な限りかき集めて作るとどこまでいけるだろう。地上にある海水の総重量は1.4x10^21[kg]であり、D/H=1.5x10^-4とすると、地上にある重水素の総量はざっと20兆トンといったところである。とりあえず核融合による生成エネルギーを1[MeV/A]程度とすると、2x10^30Jくらいになって地球破壊爆弾には2桁ほど足りない。地上の重水素をすべてかき集めても500兆メガトンの威力が限度だ。
id:active_galactic の地球破壊爆弾の考察が面白すぎる。こういうまじめにネタをやる人を尊敬します。尊敬するだけでは何も始まらないので、自分も仮設を考えてみました。
仮説
地球の公転軌道を変えてどこかの惑星か太陽にぶつけたほうが、より少ないエネルギーで地球を破壊できるのではないか
計算の仕方がわからないので調べまくって計算してみました。ちゃんとした勉強してないので盛大に間違っている可能性があります。
惑星にぶつける
最初に火星や金星にぶつけられるか考えてみたけど、太陽系はすべての惑星が公転方向が同じだからぶつけてもたいしたエネルギーにならないし、減速スイングバイを行っても、たいした減速できないだろうから断念。
太陽にぶつける
ぶつけるターゲットは太陽に決まりました。計算しやすいし。
太陽にぶつける軌道と言っても、太陽の中心に当てなくてもよいので、太陽の半径の2分の1を通る楕円軌道。つまりは、太陽にぶつける軌道を、楕円の最も遠い点(遠地点)を地球の公転半径、最も近い点(近地点)を太陽の半径の2分の1の地点(太陽に突っ込ませるため)とする楕円軌道として定義します。
(太陽の半径の2分の1の地点を選んだのは計算しやすいからです)
計算
まずは、楕円の軌道長半径(楕円の一番長い部分の半径)を求めます。(地球の公転半径+(太陽の半径/2))で直径が求められるので、その2分の1。
太陽の半径 / 2 = 347,750 km 軌道長半径= ((149,597,870 km) + (太陽の半径 / 2)) / 2 ((149,597,870 km) + (347,750 km)) / 2 = 74,972,810 km
それを、楕円の軌道速度を求める式に当てはめます。
v=sqrt((万有引力定数*質量)*((2/中心となる物体と軌道を周回する物体の距離)-(1/軌道長半径))) sqrt((太陽の質量 *万有引力定数) * ((2 / (149,597,870 km)) - (1 / (74,972,810 km)))) = 2,028.56155 m / s
これによって、地球の公転速度が2.028km/sになれば、太陽にぶつかることが導き出せました。
次に、地球の公転速度を2.028km/sにするのに必要なエネルギーを求めてみます。エネルギーはという公式で求められるので、現在の地球の質量をmに、目標の公転速度(2,028.56155 m/s)をvに当てはめます。
(1 / 2) * (地球の質量) * ((2,028.56155 (m/s))^2) (1 / 2) * (5.9742 * ((10^24) kg)) * ((2,028.56155 (m/s))^2) = 1.22921016 * 10^31 ジュール
最後に地球本来の公転軌道のエネルギーを求めて差を計算します
(1 / 2) * (5.9742 * ((10^24) kg)) * ((29,785.9 (m / s))^2) = 2.65015464 * 10^33 ジュール
地球を太陽にぶつけるのに必要なエネルギー = 地球本来の公転軌道のエネルギー - 目標の公転軌道のエネルギー
(2.65015464 * ((10^33)ジュール)) - (1.22921016 * ((10^31)ジュール)) = 2.63786254 * 10^33 ジュール
答え
やっと答えが出ました!2.63786254 * 10^33 Jのエネルギーをあたえて地球の公転速度を2.028 km/sにすれば地球を太陽にぶつけられます!
・・・あれ?
本家地球破壊爆弾のエネルギー1.9*10^32 Jを超えちゃった/(^o^)\
地球の公転軌道のエネルギーが2.65015464 * 10^33 Jですでに元のエネルギーを超えているので、最初に地球の公転軌道のエネルギーを出していればこんなことには・・・orz
太陽の半径に対して、地球の公転半径が大きすぎるので地球の公転をほぼ止めないと太陽にぶつけられないであろうことは予測できてましたがここまでとは・・・
答え2
というわけで、答えが出ました!地球を太陽にぶつけるには地球破壊爆弾の約14倍のエネルギーが必要です!orz
(2.63786254 * (10^33)) / (1.9 * (10^32)) = 13.8834871
確かめてみる
一応計算があっているかどうか確かめてみると、太陽の周りを楕円軌道で回るには、第1宇宙速度以上かつ第2宇宙速度以下でないといけないので、太陽の半径/2からの第1宇宙速度は
sqrt((太陽の質量 *万有引力定数) / (太陽の半径 / 2)) = 617,782.569 m / s
太陽の半径/2からの第2宇宙速度は
sqrt((2 *太陽の質量 *万有引力定数) / (太陽の半径 / 2)) = 873,676.488 m / s
上で遠地点の速度を求めた公式を使って近地点での速度を求めてみると、
sqrt((太陽の質量 *万有引力定数) * ((2 / (347,750 km)) - (1 / (74,972,810 km)))) = 872,662.796 m / s
となり、近地点での速度は第1宇宙速度を超えており、第2宇宙速度に極めて近いことがわかります。
楕円軌道の軌道離心率を求めてみると
1 - (2 / (((149,597,870 km) / (347,750 km)) + 1)) = 0.995361652
となります。離心率と宇宙速度の関係は、
離心率が0に近い = 円に近い = 第1宇宙速度に近い 離心率が1に近い = 放物線に近い = 第2宇宙速度に近い
であると考えられるので、近地点の速度はで第2宇宙速度に近く、軌道離心率が1に近いという結果になりました。
感想
それにしても元エントリーは面白い。宇宙好きの心をくすぐりまくり。宇宙が大好きなのであっという間に時間が過ぎて、気づいたら6時間近く試行錯誤しながら力学の勉強してました。
最初はperlでシミュレーションスクリプト作って解こうと考えていましたが、すでに質量や距離や公式がわかっているんだから計算だけで何とかなるだろうと思い直しました。
今回の法則のほとんどをGoogle先生とWikipedia先生に教えてもらいました。特に宇宙速度と軌道速度と軌道長半径のページがなかったら解けませんでした。Wikipediaすごすぎる。
今回の計算はすべてGoogle電卓でやりました。文中の式をGoogleに投げると答えが出てくると思います。Google電卓便利すぎる。
添削plz
エネルギーを与える方向を公転に対して正面から与える場合に限定しています。
私は力学のちゃんとした勉強を受けたことないので、盛大に間違っている可能性がありますので注意してください。。。
どこかしら間違っていると思うので、間違っていたら指摘お願いします。